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“映画の星座盤”第6回「オーシャンズ13」「トランスフォーマー」

一本の作品から広がる映画の世界…。
気がつくと、それは星座の輝き。
映画検定一級の映画相談人が、
星と星を繋げるように、映画と映画を繋げていきます。

★今月最初に紹介するのは「オーシャンズ13」

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 ジョージ・クルーニー率いるナイスな11人の野郎たちがラスベガスを牛耳ろうとする極悪カジノ王相手に大暴れする、ご存知人気シリーズの第3弾です。

 今回の目玉は名優アル・パチーノのゲスト出演。パチーノは、自身の代表作「ゴッドファーザー」(1972年)で演じたマフィアのドン、マイケル・コルレオーネ役のセルフ・パロディとも言える極悪カジノ王を、肩の力を抜いて楽しそうに演じています。実はそれには理由があるのです。

 なんでもパチーノの出演は監督のスティーブン・ソダーバーグのたっての希望だったとか。ソダーバーグは、そんな自らのラブコールを受けてくれたパチーノに、最大限の便宜を図ったと言います。約半年にわたった撮影期間の内、パチーノの拘束は3週間だけ。パチーノのスケジュールを再優先したそうです。パチーノにしてみれば、ちょいとベガスでバカンスって感じで、とっても気楽。熱演また熱演っていういつもの演技をしないのも当然ですね。

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 ところで先に挙げた「ゴッドファーザー」は、「オーシャンズ」シリーズ(2001~2007年)ととっても縁が深いんですよ。「ゴッドファーザー」第1作で“ゴッドファーザー”ドン・ヴィトー・コルレオーネがお気に入りの落ち目の歌手を映画に出演させるために、映画会社社長を脅すエピソードがあります。このエピソードはアメリカの国民的歌手フランク・シナトラが、アカデミー賞で作品賞を含む8部門を受賞した「地上より永遠に」(1953年)に出演した時、ハリウッドで囁かれた噂話をモデルにしているんです。実際、シナトラは個人的にマフィアと深い関係にありましたから、この噂、今ではほぼ事実と言われています。

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 「ゴッドファーザー」の歌手同様、落ち目だったシナトラにとって、この「地上より永遠に」はまさに起死回生の一作になったんです。なんと、この映画の演技でアカデミー助演男優賞を獲得し、見事にスターの座に返り咲き、以後、映画とベガスのショーで活躍しました。そして60年、私生活でも交流のある俳優たちを集め、お膝元のベガスを舞台に作った犯罪コメディが、「オーシャンズ」シリーズの原点になった「オーシャンと11人の仲間」(1960年)なのです。「ゴッドファーザー」の中の1エピソードのモデルになった事件が無ければ、「オーシャンズ」シリーズは無かったかもしれませんね。

 実は「オーシャンズ13」には「ゴッドファーザー」シリーズからの直接的な引用・パロディが二ヶ所あります。これはほんと、熱狂的な「ゴッドファーザー」ファンじゃないと分からないと思いますけど、パチーノが「ゴッドファーザー」第1作のあるシーンと、同じセリフを言うところがあります。またオーシャンたちがパチーノをはめる小道具に黄金製の携帯電話が使われますが、これは「ゴッドファーザーPART II」(1974年)のあるシーンでの小道具のパロディになっています。「ゴッドファーザー」ファンを自認する方は、ぜひ、探してみてください。

 キャスト陣の「ゴッドファーザー」繋がりは二人。まずアンディ・ガルシア。彼は「ゴッドファーザーPART III」(1990年)でパチーノ演じるマイケルの跡目を継ぐ甥っ子を演じていましたね。もう一人は「オーシャン」シリーズ1作目からのレギュラーのスコット・カーン。彼の実のお父さんは「ゴッドファーザー」1作目でコルレオーネ一家の血の気の多い長男ソニーを演じたジェームズ・カーンなんです。

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 そうそう、「オーシャンズ13」でパチーノの右腕を演じるエレン・バーキンは、パチーノとは、以前、「シー・オブ・ラブ」(1989年)で共演しています。「オーシャンズ13」の彼女を「おばさんやんか!」と思った方がこの映画のエレンさんを観たら、びっくりするはず。だってとってもセクシーなんですもの。

★続いて紹介するのは「トランスフォーマー」

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 スティーブン・スピルバーグ製作、マイケル・ベイ監督作です。スピルバーグといえば、「トランスフォーマー」と同じ映画会社の作品で製作に関わった、ジョー・ダンテ監督作「スモール・ソルジャーズ」(1998年)って映画があります。お話は、人工頭脳を組み込まれたアクション・フィギュア二派の戦いに少年が巻き込まれるってものなんですが、何か気づきませんか?アクション・フィギュアを変形巨大ロボットに変えたら「トランスフォーマー」になっちゃうんです。見せ場の派手さではこの映画、「トランスフォーマー」に太刀打ち出来ませんけど、キャラクター描写なら勝ってると思うんですよ、私。よろしかったら、どうぞ。キルスティン・「マリーアントワネット」(2006年)・ダンストがヒロインをやっていたり、トミー・リー・ジョーンズが声の出演をしていたり、キャストはかなり豪華なんです。

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 でも多分、観た人の大半は、「トランスフォーマー」より別の映画に似ていることに気づくでしょう。その映画とは「グレムリン」(1984年)。こちらもスピルバーグ製作で、ジョー・ダンテ監督の作品です。と言うことはつまり、スピルバーグって、同じ発想で3本の映画を作ったってこと?!ちょっと、ちょっと、スピルバーグさんって感じですね。

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 夜空に輝く星のごとく無数にある映画についてのあれこれ。それを星座のように繋げるのが映画の楽しみ。今回、お作りした星座はいかがでしたか?

 それでは、また来月。

映画相談人・小玉大輔(「シネマ倶楽部」2007年12月号)
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2007/12/01(土) | 映画の星座盤 | トラックバック(0) | コメント(-)

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