FC2ブログ

“映画の星座盤”第74回ファンタジー三連発「オズはじまりの戦い」「ヘンゼル&グレーテル」「ジャックと天空の巨人」!

一本の作品から広がる映画の世界…。
気がつくと、それは星座の輝き。
映画検定一級の映画相談人が、
星と星を繋げるように、映画映画を繋げていきます。

今月の星座盤は、この夏注目のファンタジー系映画3作をご紹介しましょう。

★『オズ はじまりの戦い』。三大女優が魔性の美を競う?

oz2013_poster.jpg

 1作目は『オズ はじまりの戦い』。監督は『スパイダーマン』三部作(2002、04、07年)のサム・ライミ。主演は『スパイダーマン』でスパイダーマン/ピーター・パーカーの親友を演じたジェームズ・フランコ
 どんな話かっていうと、ライアン・フランク・ボームが1900年に発表した児童文学『オズの魔法使い』の前日談。しがない手品師がいかにして魔法の国“オズ”の大魔法使いになったかってことが描かれます。

SPIDER-MAN2002_poster.jpg THEWIZARDOFOZ_poster.jpg

 本作の下敷きになっているのは、ミュージカル・ファンタジーの傑作『オズの魔法使』(1939年)。って言うか、本作は『オズの魔法使 エピソード0』です。だから事前に『オズの魔法使』を観ていると面白さは倍増。ビジュアル・イメージなんか、ほぼオリジナルを踏襲していますから、「ああ、なるほど」ってことになります。

blackswan_poster.jpg oz2013_2_poster.jpg

 特に注目は『ブラック・スワン』(2010年)のミラ・クニスが演じる“西の魔女セオドラ”です。オリジナルを観ていない人は、このキャラの変貌に「???」。

oz2013_3_poster.jpg SHUTTERISLAND_poster.jpg SnowWhiteandtheHuntsman_poster.jpg

 そうそう、ミラ・クニスで思い出しましたけど、本作には彼女の他に魔女がふたり登場するんですけど、演じているのは『ボーン・レガシー』(2012年)のレイチェル・ワイズ『シャッター・アイランド』(2010年)のミシェル・ウィリアムズ。「まぁ、この三人なんだから、それはそれは美しい魔女なんでしょうね~、『スノーホワイト』(2012年)のシャーリーズ・セロンみたいに」と誰もが思うでしょうけど、悲しいことにサム・ライミって監督、女優を綺麗に撮るのが苦手なんですよ。と言うか彼の女優の好みは変わっているんです。

THEEVILDEAD_poster.jpg DARKMAN_poster.jpg

 デビュー作『死霊のはらわた』(1981年)から一貫して、主演女優は頬骨が目立つ顔の女優さんなんです。『スパイダーマン』キルスティン・ダンストがそうだったでしょう。その頬骨フェチが行くとこまで行ったのが、リーアム・ニーソン主演の『ダークマン』(1990年)。この映画のヒロインを見たらびっくりしますよ。他にいくらでもキレイな女優がいるだろうにって誰もが思います。ちなみにこの女優、アマチュア時代からの仲間である有名監督の奥さんだったりします。

★『ヘンゼル&グレーテル』。その後のグリム童話は肉弾戦!

HANSELGRETEL2013_poster.jpg

 魔女のお菓子の家が有名なグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』。本作は魔女を倒し自由になったヘンゼルとグレーテル兄妹のその後を描いています。

 主演は『アベンジャーズ』(2012年)、『ボーン・レガシー』など今、戦闘プロフェッショナルを演じさせれば右に出る者なしのジェレミー・レナー『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(2010年)、『タイタンの戦い』(2010年)などファンタジー映画にやたらに出ているジェマ・アータートン

THEAVENGERS2012_poster.jpg
THEBOURNELEGACY_poster.jpg PRINCEOFPERSIA_poster.jpg CLASHOFTHETITANS_poster.jpg

 大人になったヘンゼルとグレーテルが何をしているかって言うと、魔女ハンター。“007”の秘密兵器ばりの七つ道具を駆使して、子供の時の恨みを晴らすかの如く、魔女を狩って、狩って、狩りまくります。

 と、こう書くとアニメっぽいスタイリッシュでクールな腕前が全編で見られるとお思いでしょうが、残念。実際のヘンゼルとグレーテルの魔女狩りは“殴る、蹴る、どつく”の肉弾戦。鼻血をしたたらせ、まるでプロレスのような戦いっぷりです。汗まみれ、泥まみれになる兄妹の姿はスポーツ・コメディの登場人物のようで、じわじわと笑えてきます。

 おまけに兄のヘンゼルは持病を抱えてるんですが、その病名は爆笑必至! ネタバレになるから書きませんけど、子供の頃、魔女に無理矢理、お菓子を食べさせられていたのですから、なんの病気かは大体、想像つくでしょ?

 実は本作は『俺たちフィギュアスケーター』(2007年)、『俺たちダンクシューター』(2008年)などの熱血スポーツ・コメディのスター、ウィル・フェレルの製作プロダクションの作品なんです。だから魔女との戦いがドタバタするのも当然。実際、ヘンゼルの女性関係はウィル・フェレル映画そのものなんです(フェレルの最新作『俺たちサボテン・アミーゴ!』(2012年)と一緒に観るのがオススメ)。観る時はコメディだと思ってご覧ください。
 そうそう、言い忘れてました。本作は史上最多の魔女が登場する映画でもあります。

BLADESOFGLORY_poster.jpg SEMI-PRO_poster.jpg CASADEMIPADRE_poster.jpg

★『ジャックと天空の巨人』。これは『進撃の巨人』への挑戦状だ!

JACKTHEGIANTSLAYER2013_poster.jpg

 イングランドで古くから語り継がれてきた民話『ジャックと豆の木』。それを大胆に脚色して映画化したのが、本作。監督は『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)、『X-MEN』(2000年)のブライアン・シンガー、脚本は『ユージュアル・サスペクツ』以来シンガーの座付き作家として活躍し、監督として『ミッション:インポッシブル5』(2015年)が予定されているクリストファー・マッカリー

X-MEN_poster.jpg THEUSUALSUSPECTS_poster.jpg

 かの『ユージュアル・サスペクツ』コンビの作品ですから、脚本は抜群に良いんですよ。特筆すべき点をふたつ挙げますね。まずはエピローグ。“魔法の豆と天空の巨人”の伝説が語られるんですが、ここで主人公のジャックとイザベル姫が運命の糸で結ばれているってことが同時に描かれます。それもさらりとしたタッチで。私はここでぐいっと作品の世界に引き込まれましたね。もうひとつは悪役の設定。この手のファンタジーって悪の親玉はひとりってのが相場ですが、本作は捻りが加えられていて、悪の親玉がバトン・リレーみたいに入れ替わっていくんです。悪のリレーが誰もが知っている民話を先読み不能の21世紀のファンタジーに生まれ変わらせることに成功しています。

singeki.jpg

 とは言え、本作の最大の見ものは巨人の軍団が猛進撃を始めるクライマックス。ここは現在、大人気のコミック『進撃の巨人』の実写版と言っても過言ではない。いやぁ、凄い迫力です、巨人の全力疾走や人間対巨人の○○○合戦は! このシーンを観たら、来年、公開予定の映画版『進撃の巨人』が心配になりますよ。日本映画がこれを超える事が出来るのか?って。
 そうそう、この映画、音楽もいいんですよ。オープニングからワクワクします!
 
夏休みはファンタジー三連発でお楽しみください。
それでは、また来月!

映画相談人小玉大輔(「シネマ倶楽部」2013年8月号)
スポンサーサイト



2013/08/01(木) | 映画の星座盤 | トラックバック(0) | コメント(-)

トラックバック

トラックバックURL
http://cinemanc.blog.fc2.com/tb.php/462-53b30246
 |  HOME  |