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“映画の星座盤”第25回「マンマ・ミーア!」と「グリース」は元気溌剌ミュージカル!

一本の作品から広がる映画の世界…。
気がつくと、それは星座の輝き。
映画検定一級の映画相談人が、
星と星を繋げるように、映画映画を繋げていきます。

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★「マンマ・ミーア!」でABBAを歌い踊る俳優たち
 今月、星座をお作りするのは「マンマ・ミーア!」(2008年)。1970年代後半、「ダンシング・クイーン」などで全世界を席巻したABBA(アバ)のヒット曲が全編を彩るミュージカルです。

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 もともとは1999年にロンドンで初演された舞台劇。世界10都市各地で上映されるロングラン・ヒットを記録し、日本では劇団四季が2005年から2009年まで東京、大阪、名古屋で上演していました。

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 今回の映画版の出演者は史上最多のアカデミー賞ノミネート回数を誇る大女優メリル・ストリープ、5代目007のピアース・ブロスナン「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001年)で知られる“イギリスのいい人”コリン・ファース、「顔は知ってるけど、名前が覚えられない」ステラン・スカルスガルド、“カエル顔”(本人談)のグラマー、アマンダ・セイフライドといった、およそミュージカルには似つかわしくない方々。彼らのこれまでの作品を観てきた人は多分、「大丈夫なの?この人たち、歌えるの?」って思うかもしれませんね。

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 ミュージカルの中には、「マイ・フェア・レディ」(1964年)のオードリー・ヘップバーンや、「ウエストサイド物語」(1961年)のナタリー・ウッドのように歌は吹替ってことがありますからねぇ(ちなみにどちらも歌の吹替はマーニー・ニクソンが担当)。

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 ご安心を。本作の出演者は全員、自ら歌っています。一人を除いてそんなに悪くありません…。その一人が誰かってのは観てのお楽しみ(?)ですが、浅田美代子もびっくりって感じです。ミュージカルの真面目なファンは呆れるかもしれませんけど、まぁ、普通では絶対に観られない“ハリウッド・スターのカラオケ大会”だと思ってご勘弁を。

 さて、本作の見どころというか、聴きどころはABBAのヒット曲が流れる瞬間です。昔からのファンはイントロが流れただけでワクワクします。そして歌い出した瞬間は「待ってました!」です。この感覚って、リアルタイムでABBAを聴いていた40~50代の人間じゃないとわからないかも。また、その世代の女性で娘さんをお持ちの方は、思わぬ感動の涙を流すかもしれませんので、ご期待ください。

 そうそう、この映画を観る時は、細かいことを考えてはダメですよ。序盤でかなりシリアスかつドラマチックな問題が提起されるんですけど、エーゲ海の陽光の中で、「歌って踊れば、オールOK!」ってなもんで、いつの間にか、なし崩し的に大団円を迎えてしまうのです。

★「マンマ・ミーア!」と「グリース!」の共通点

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 本作のような「歌って踊れば、オールOK!」な元気溌剌ミュージカルは他にもあるんです。それは1978年に公開され、全世界で大ヒットした「グリース」。1960年代初頭を舞台に不良少年と箱入り娘の恋が繰り広げられる学園もの。主演はジョン・トラボルタと70年代後半の最高の歌姫オリビア・ニュートン・ジョンです。

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 この映画、何がすごいって高校が舞台なのに、出てくるのがおばさん、おっさんばっかりなんです。出演者の最年少はトラボルタの23歳。オリビアに至っては撮影当時、29歳。出演者の平均年齢は30歳オーバーだったのです。

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 もう劇中のダンスパーティーなんかびっくり。さながら15年目の同窓会みたいなのですから。誰一人、高校生に見えないんですもの。でもね、喜々として歌い踊るアラサーの人たちを観ていると、気分が高揚してきて、楽しくなってくるから不思議です。まさに“FOREVER YOUNG”。元気を貰うってこんな感じなのかもって思えてきます。

 これと同じ感覚は「マンマ・ミーア!」でも味わえます。中でもABBAのメンバーが1カット出演する“ダンシング・クイーン”の乱舞シーンなんて、まさにそう。一部の人はこのシーンを“魔女の宴”と呼んでいるようですが、その明るさといい、楽しさといい、「グリース」と同じ“FOREVER YOUNG”な精神に溢れています。

 実は「マンマ・ミーア!」の製作チームは最初から「グリース」が頭にあったようなのです。海外のサイトで調べたところによると、メリル・ストリープが演じたヒロイン役として最初に候補に挙がったのは、なんとオリビア・ニュートン・ジョンだったんですって。正直、私はオリビア主演で「マンマ・ミーア!」が観たかったですね。

 できれば、「グリース」「マンマ・ミーア!」と一緒に観て欲しいです。2つの作品に共通する能天気な楽観主義に接したら、浮世の憂さもきっと晴れるはず。

★ABBAの映画と言えば…

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 ABBAと言えば、世界で最もファンが多いと言われているオーストラリアで作られた映画があるんです。タイトルは「ミュリエルの結婚」(1994年)。主演は「シックス・センス」(1999年)のお母さん役で知られるトニ・コレット。監督は「ベスト・フレンズ・ウェディング」(1997年)のP・J・ホーガン。“ダンシング・クイーン”をはじめとするABBAの大ヒット曲が全編を彩る、太めの女の子の恋に恋して恋気分の映画です。「マンマ・ミーア!」と同時期にレンタルDVDがリリースされますから、併せてどうぞ。

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 夜空の星の如く無数に輝く映画。そのいくつかを星座のように繋げるのは映画ファンの楽しみ。今月の星座はいかがでしたか?

 それでは、また来月!

映画相談人小玉大輔(「シネマ倶楽部」2009年7月号)
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2009/07/01(水) | 映画の星座盤 | トラックバック(0) | コメント(-)

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