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“映画の星座盤”第30回 ハリウッド大作3本「G.I.ジョー」「トランスフォーマー/リベンジ」「ターミネーター4」!

一本の作品から広がる映画の世界…。
気がつくと、それは星座の輝き。
映画検定一級の映画相談人が、
星と星を繋げるように、映画映画を繋げていきます。

 今月の星座盤は11月中旬から連続的にリリースされるハリウッド大作3作品の楽しみ方をご紹介します。

★12歳の心を持つ大人のための戦隊ヒーローもの「G.I.ジョー」

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 「G.I.ジョー」と言えば、40歳以上の大人には1/6サイズの兵隊フィギュアのイメージ。それを映画化したって言われても、ただの戦争ものと何が違うねんと思うでしょ?違うんです。僕らオッサンの知らない間に「G.I.ジョー」は世界征服を狙う謎の秘密結社と戦うハイテク装備の特殊部隊ものになっていたのです。この「G.I.ジョー」はそんな新設定を基に映画化されています。

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 で、出来上がった映画、これがスゴイんです。オープニングなんてビックリですよ。観てのお楽しみですけど、「一体、何の映画が始まるねん!?」って感じ。その後はもう、戦いに次ぐ戦い。中盤の見せ場はパリ市民大迷惑のウルトラ活劇。死傷者5千人確実の大カーチェイスが展開するんですけど、結局…ってのが笑えます。

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 そして終盤はショーン・コネリーロジャー・ムーアの頃の「007」シリーズを思わせる“悪の秘密基地”での大乱戦が用意されています。とにかく、このクライマックスは映画ファンにはムチャクチャ愉快です。イ・ビョンホン「スター・ウォーズ/ファントム・メナス」(1999年)で悪のジェダイ、ダース・モールを演じたレイ・パークと、「ファントム・メナス」そっくりなチャンバラを繰り広げたりとか、なぜか悪の組織の技術班がTV版「スター・トレック」シリーズ(1987年)のユニフォームを着ていたりとか、「G.I.ジョー」の指揮官を演じるデニス・クエイドが命令を下す時の異常な盛り上がりとか、笑いどころがてんこ盛り。

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 しかし、そんな楽しい時間の後、エンドクレジットが上がってくると、あることに気づきます。それは、「この映画、お話がないじゃないか?単に豪快で笑えるアクションの中で人物紹介しただけやないか」ってこと。実際、約2時間の上映時間で台詞は30分ぐらい。それもほとんど中身のない会話なんです。こんな映画を作ったのは、疾風怒濤の「ハムナプトラ」シリーズ(1999年)のスティーブン・ソマーズ。「俺は好きでやってんだ、どんどん突っ込んでくれ!」って感じの確信犯的な開き直りっぷりは豪快です。
 本作を一言で譬えると、「G.I.戦隊 ジョーレンジャー」!ノリは東映の戦隊ヒーローものの劇場版と一緒です。12歳の心を持つ大人を自認する人なら大満足するはず!

★これはバイキング・レストラン映画「トランスフォーマー/リベンジ」

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 前作のスタッフ&キャストが再結集したシリーズ第2弾。アメリカでは今年一番のヒット作になったそうです。中身は、思いつく限りの過去のSF映画のエッセンスをあらんかぎりにぶち込んだ作品になっています。

 死傷者推定1万人という、いかにも「トランスフォーマー」なアクションで幕を開けますが、そこからは「グレムリン」(1984年)、「スピーシーズ/種の起源」(1995年)、「ターミネーター3」(2003年)、「インディ・ジョーンズ」シリーズ(1981年)などの大ヒット映画を思わせる展開や見せ場が連続。

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 あっと驚くのは中盤の「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)、「天使と悪魔」(2009年)ばりの展開。変型ロボット映画のつもりの人は、一体、何の映画を観ているのか分からなくなること必至。とはいえ、バイキング・レストランであれもこれも目について、食べられないぐらい皿に盛った時の満足感は得られる2時間20分ではあります。

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 そうそう、本作と前述の「G.I.ジョー」を観る前に、名匠クリント・イーストウッドが80年代初頭に監督・主演した戦闘機アクション「ファイヤーフォックス」(1982年)をチェックしておくのがお薦め。この映画に登場する戦闘機“ファイヤーフォックス”のデザインをしっかり覚えておきましょうね。

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★もしもケンシロウがアンドロイドだったら!「ターミネーター4」

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 「ターミネーター4」は、抵抗戦争のリーダーになっていくクリスチャン・ベール演じるジョン・コナーの物語と、自分がサイボーグであることに気づかないまま、2人の子供と旅するサム・ワーシントン演じるマーカス・ライトの物語が同時進行で描かれます。

で、終盤近くでこの2つが結びつき、クライマックスになだれ込んでいくんですが、注目はマーカス・ライトのパート。なんと、「北斗の拳」(1984年)なんです。もちろん、マーカス・ライトがケンシロウ。バットやリン、マヤみたいなキャラもちゃんと登場して、「もしもケンシロウがサイボーグだったら!」って感じの物語が展開。「北斗の拳」を知っている人はニヤニヤしちゃいますよ。正直言って、ターミネーター版「北斗の拳」というアイデアだけに絞って欲しかったなぁ?(なんか色々と大人の事情があったようですけど)

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 しかし、今回、紹介した映画って…、こんなんばかりですね。これを先人へのリスペクトと取るか、アイデア枯渇の末の剽窃と取るかは難しいところ…。

 それでは、また来月!

映画相談人小玉大輔(「シネマ倶楽部」2009年12月号)
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2009/12/01(火) | 映画の星座盤 | トラックバック(0) | コメント(-)

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